グローバル化の進展による国内外企業間の競争激化、少子高齢化の進展と人材不足などわが国を取り巻く経営環境は厳しい。そんな中企業が勝ち残り、発展していくためには、社員全員が日々の中でイノベーションをたくさん起こしていくことが必要です。そのためのツールとしての５Ｓをお伝えします。

私は、イノベーションは一部の限られた技術者がやるのだけでなく、社員１人ひとりが、日常業務をやりながら実施していくものだと考えています。現状のやり方、システム、技術などについて、問題点・課題を発見して、新しいアイデア、ノウハウなどを組み合わせ、変革・創造していくのです。

５Ｓはこれらを実現していくことができる企業風土改革ツールです。「本当の５Ｓ」を行えば、多くのムダが見え、問題点・課題が浮き彫りになる職場がつくられます。そのような環境におかれることで、社員の方はさまざまなアイデア、対策を常に考える思考、また組織はそのような体質に変わっていきます。

そして何よりも、５Ｓが改革ツールとしていいことは、全員参加で活動が実施できることです。経営者であろうと今日入社した新入社員であろうと、活動に参加ができます。またその結果が目で見てわかる、そして一つの目標に向かって全員の意識が変わっていくことです。

私がお手伝いしている１５００人規模の企業の社長は、社員に対して、「５Ｓは魔法の杖」だと伝えています。その企業では全員で５Ｓを使って日々イノベーションを実現しようとしている様子が訪れるたびに感じることができます。

イノベーションは大がかりに捉えるのではなく身近の日常業務の問題点から実現可能だということです。５Ｓで社員総活躍企業へ、全社員が活き活きとして働いている企業づくりが今こそ必要に思います。